2楽章『誕生』で威風堂々・順風満帆に音楽は進むが、最後に不穏の音で、音楽は遮られる。銅鑼の音をきっかけに地獄の門が開き、一気に地獄へと突き落とされる。

この楽章は、平野区にある全興寺の『地獄堂』から着想を得た。境内にあるこの施設は、地獄の恐ろしさを表現するもので、『この様な行いをしてはならない』という戒めの様な施設。銅鑼を叩くと、戒めの地獄へと引き込まれて行く。地獄の門番が『嘘をついても良い・・・無駄だ!』と浄玻璃の鏡に映し出された自分自身を暴かれてしまう。この音楽のリズムの根底にあるのは、『南無大師遍照金剛』というお経。このお経は変拍子(13/8)の要素があり、一貫してこのリズムの上に旋律を乗せている。変拍子を取り入れる事で、地獄の不自然な道と、地獄から抜け出す事への祈りの両面を表現した。地獄堂でも流れる『賽の河原』(ご詠歌)は子どもが河原で石積をし、地獄からの脱却を願う歌。この曲は4拍子で書かれているが、お経の変拍子(13/8)が同時に演奏され、2つの世界を綱引きするかの様に作曲した。